〇 ファイルの暗号/復号化

ファイルの内容を暗号化して、情報を隠蔽する機能です。
文書の暗号化保存と直接編集こちらをご覧ください。

この画像の各部分をクリックすると該当項目の説明に飛びます。



元のファイル
暗号または復号するファイルを入力します。右側の[選択]ボタンで選択入力も出来ます。このファイルは文書等のテキストファイル以外でも構いません。[選択]すると下の変更後のファイル名欄にも同じものがコピーされます。
尚、選択画面のファイル選択・削除で元のファイルの完全削除が出来ます。

変換後のファイル名
暗号または復号後のデータを格納するファイル名を入力します。右側の[参照]ボタンで参照入力も出来ます。元のファイルと同じ名前を指定した場合は変換後の内容を上書きします。

変更後の内容表示
このチェックをオンにすると、暗号または復号後に、ファイル内容が表示されます。

暗号キー
暗号化または復号化するキーです。いわゆる「パスワード」と似た機能を持つものです。
復号は暗号化した時の暗号キーと同じ暗号キーを入力した場合のみ、正常に復号されます。暗号キーが一致しない場合、エラーは出ず、復号結果は判読不能なものになります。
暗号化する時暗号キーを入力しなくても暗号化されます。この場合復号する時は暗号キーを入力しなければ復号出来ます。
暗号キーは全角文字も使えます。

暗号キーを表示
このチェックをオンにすると暗号キーが伏字でなく、そのまま表示されます。暗号キーに全角文字を入力する時はオンにしてください。

暗号化
暗号化を実行します。ファイル内容はランダムになり、判読出来なくなります。

復号化
復号化を実行し、暗号化されているファイルを元に戻します。
暗号化した時と復号する時のWindowsのバージョンが異なる(例:XPと2000)場合、正常に復号出来ない事があります。

暗号アルゴリズムについて
一方向性ハッシュ関数(別名:メッセージダイジェスト関数, message digest function)で、アメリカ合衆国商務省国立標準技術研究所(NIST)によって選定されたアメリカ合衆国標準のアルゴリズムである、SHA1(US Secure Hash Algorithm 1)を使用してスクランブル用のキーを生成しています。SHA1アルゴリズムのハッシュ サイズは 160 ビットです。詳しくは下記のサイトを参照してください。
【SHA1 の詳細 RFC 3174】(英語) 
http://www.faqs.org/rfcs/rfc3174.html

アルゴリズムは公開されていますので、暗号の強度は暗号キーの長さと組み合わせにより決まります。長さは最低でも半角6文字以上を使ってください。半角英数記号6文字の場合、下記の94の6乗通りの組合せとなり、
94^6 = 689,869,781,056
解読の総当り攻撃(Brute Force Attack 別名:しらみ潰し攻撃)は平均で約3千億回復号化し、その都度平文(ひらぶん:暗号文でない判読出来る普通の文)に戻ったかを確認しなければなりませんので、取敢えずの強度は確保出来ます。長さが4文字の場合は平均で約4千万回と、大幅に脆弱化します。
全角文字の場合は、常用漢字
1,945字を使うと仮定すれば、4文字でも平均で約7兆回と十分な強度が出ます。
暗号キーの最大設定可能文字数は半角256文字ですが、暗号キーは160ビットのキーにハッシュ変換されますので、半角24文字以上あれば十分です。

二重暗号/二重復号が可能です。即ち、暗号を異なる暗号キーで2回掛け、復号はその逆順で行なう方法です。上の6文字の例ですと、解読の総当り攻撃は1段目の復号を平均で約3千億回し、その都度2段目の復号を7千億回して、結果を平文チェックしなければなりませんので、解読は殆ど不可能と考えられます。

暗号解読の方法は上記の「総当り攻撃」の他に、「辞書攻撃(Dictionary Attack)」があります。辞書にあるような言葉を暗号キーに設定すると、この方法により数万回の復号で解読される可能性があります。暗号キーは出来るだけ意味の無い文字の組合わせを選んでください。

復号化において、どんな場合でも完全な原文に復号される事は保証出来ません。原文を廃棄して暗号文のみを保存する場合は、あらかじめ復号化のテストを行なってから、原文を廃棄するようにしてください。これは暗号キーの記憶違いを防ぐ為にも、強く推奨致します。暗号キーを喪失した場合、暗号文の復号化は不可能です。

参考文献:暗号に関してはかなりの文献がありますが、比較的最近の出版で特色のある4冊を選びました。最後の一冊を除き、読物としても楽しめます。

書 名  : 暗号解読 −ロゼッタストーンから量子暗号まで−
著者名  : サイモン・シン〔著〕 青木薫訳 
出版社  : 東京 新潮社 
出版年月 : 2001.7 
価 格   : 2600円 
抄 録   : ネット・セキュリティ、Uボート、英女王暗殺計画…。歴史の裏面を彩る、暗号をめぐる壮絶なドラマの数々。加速する情報戦争の勝者はいったい誰か? 最先端領域に宿る、天才たちの壮絶なドラマ。 

書 名  : 暗号の秘密とウソ −ネットワーク社会のデジタルセキュリティ−
著者名  : ブルース・シュナイアー著 山形浩生訳 
出版社  : 〔東京〕 翔泳社 
出版年月 : 2001.10 
価 格   : 2800円 
抄 録   : セキュリティ技術は万能ではない。システムのセキュリティを理解するにはシステム全体を見る必要がある。デジタルセキュリティに関する問題の背景、セキュリティ技術の限界、そしてその解決法について解説する。 

書 名  : 16歳のセアラが挑んだ世界最強の暗号
著者名  : セアラ・フラナリー著 デイヴィッド・フラナリー著 亀井よし子訳 
出版社  : 東京 日本放送出版協会 
出版年月 : 2001.8 
価 格   : 1900円 
注 記   : 文献:p321 
抄 録   : 1999年、数学とスポーツを愛するアイルランドの16歳が開発した暗号は、専門家たちの度肝を抜いた。天才出現との騒ぎに戸惑いつつも、暗号開発を徹底的に楽しみ、その魅力を伝えようと奮闘する少女の青春体験記。 

書 名  : 暗号技術大全
著者名  : ブルース・シュナイアー著 山形浩生監訳 安達真弓〔ほか〕訳 
出版社  : 東京 ソフトバンクパブリッシング 
出版年月 : 2003.6 
価 格   : 7400円 
抄 録   : 簡単な歴史から始まり、基礎的な概念から数学的な基礎、実際のアルゴリズムへの応用、さらにはそれを実装するCのソースコードまで、あらゆる意味での暗号を本格的に解説。暗号に関する世界的バイブルの日本語訳。